50年代・米軍トラウザーズのテストサンプル。

量産型とは違う生地や縫製とデザインで、ワンランク上の内容です。
特に生地は、60年代のべトナム・ジャングルファティーグのポプリンとはあきらかに違う内容で、高密度でしっかりとした、ハリのある丈夫な生地です。
前回ブログで紹介した T-54フィールドトラウザーズにもODの同じポプリンが使われていて、“HOT-WET”と印字されています。
恐らくベトナムなどの熱帯エリアが想定されていたものと思われます。
対して、デザート・カーキのこのパンツには“HOT-DRY”の印字がされてあり、砂漠など乾いたエリアに向けて考えられた物なのでしょうか。
こういった試作品は、見ためは面白くても着たり穿いたりするには少し難しい場合が多いですが、このパンツは穿いても凄くカッコいいんです。
“カーゴパンツのカーゴポケットなし”とう引き算の考え方


このパンツにはサイドポケット付きのカーゴパンツタイプも存在しますが、これはそのカーゴポケットなし。
CORONAでもこの“カーゴパンツのカーゴポケット(サイドポケット)なし”というのは昔から作ってきましたが、まさにその原点的なパンツで、こんな軍パンがあったらいいな、というのをそのまま形にしてくれたようなデザインです。
ワークウエアとも重なるものがあって、シンプルで普遍的なカッコ良さがあります。
必要最低限にそぎ落とす”引き算”な考え方は、日本人に馴染み易いしCORONAの物作りとも合致します。
どうしてこのデザインを試作したのか、知る事ができたらもっと興味深いのですが。
この一連のテストサンプルのシリーズが後の60年代ジャングルファティーグに繋がっていったのではないかと思っています。
このパンツも来年から始まる“FATIGUE SLACKS”で活躍してくれることと思います。